連れてこられたのは携帯のコーナー


「何するんですか?」


「ん~?携帯を選んでもらおうかと思って。ちゃんと真面目に欲しい携帯選ばないと後悔するわよ?」


・・・・・・・・・意味がわからん。


しかし、後悔って言われると真面目に選ばなきゃって思うな


なんたってこの人は前科がある。


どんな目に遭わされるかなぞ考えたくもない


「文句言わないで下さいよ」


「大丈夫だ。私はそんな狭量ではない。それに私には関係無いし」


「何か言いました?」


最後の方が聞こえなかった


「私の思いがどれほど石動くんに対して真剣かってことを」


「公衆の面前で何言ってるんですか!!!」


「それは二人っきりの時『すいませんでした』」


千景先生の言葉を途中で遮り、携帯選びに没頭する


「つれないわねぇ」って発言も当然無視だ




携帯ってのは見ていてもおもしろかった


色々種類が豊富で機能も豊富


自分に何が必要で何がいらないのか


様々な事を考え、選んだ一品を見千景先生は「ふぅん。これか」


って薄い反応


「色ピンクでいいわけ?」


「だってオレが使う訳じゃないですし。


千景先生は普段男か女かわかんないんですから、こういった小物くらい女の子っぽいのを使って下さい」


「大きなお世話だっつーの。って実は男かもよ?」


さらっと言われた言葉の衝撃は計り知れず、思考停止


「色こっちのに変えとくわね」


男?オレはじゃあ男相手にあんな反応を?ってまた男にキ、キ、キスを!?


「ちょっと待った!!!今の冗談ですよね!?冗談って言ってぇ~」