「そーいえば、園原さんの香水ってどこかで嗅いだ覚えがあるんだけど、どこだったかな?」


秀の言葉にピシッと思わず固まるオレ。


そういえば、そんなのつけられてた


あれ?今は?あ、池に落ちたから消えてるのか


そんな風に焦るオレとは正反対にキョトンとする美鈴


「そうですか。でも、不思議ではありませんよ。私のものはお嬢様のと違い市販品ですから。同じようなものはどこにでもあります」


なんて女だ。事もなく平然と返してる


会話はそのままエリサの香水の話になってるし。


美鈴って恐ろしいやつだと再認識した。


総じて能力が高いんだよな





「じゃあ、5分経ったし。ペア漏れした奴はいないな?


じゃあ、体力測定だが、このトラック10周。5000M走だ。


ペアの片方が10周を数え、10周のゴールする前にオレに言え。


そうすればゴールした時にタイムを読み上げるからそれをペアに教えてやれ


じゃ、さっさと準備しろ。準備できしだいやるからな」



その合図にオレはスタート地点に並ぶ隣には秀


「賭けないか?負けた方が学食で300円分おごる」


「大丈夫なの?一人暮らしはお金が苦しいって聞くけど」


「大丈夫だ。オレはおごってもらう方だからな」


「それはおもしろい冗談だ。後悔しても遅いからね」


早くも火花散る二人


「おもしろいことしてるわね。私ものった」


その間に入ってきた長


「えぇ~長、陸上部じゃん」


「いいじゃない。ん~じゃ、ハンデ戦でどう?」


「ハンデ?」


「3分つけてあげる。これでどう?それとも女の子相手にもっとハンデが欲しい?」


挑発的に笑う長


「オレは男女平等主義だから5分はください」


そんな長の表情を無視して、情けなくも懇願するオレ


「ったく情けない男ね。まぁいいわ5分ね。大杉くんもそれでいい?」


「よくないけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・陣くんは甘いよ」


呆れ果てたという秀の表情の意味がわからなかったが


まぁまもなくスタートだ