厳かで威厳あるこの宣言の影響か


特別科の連中はなぜか近くにいるスポーツ科のやつと組み始めた


スポーツ科の連中も特別科の呆気ない行動に毒気を抜かれたらしい


さっきまでの殺伐とした雰囲気が消えていた


オレは小声で「ありがとう」とエリサに伝えた


「いえ、こちらこそすいません。


いくらああ言わなければ収まりがつかなかったとは言え、あんな扱いをしてしまって」


「収まるなら別にいいよ。


エリサがああいうことを本心で言う子じゃないって知ってるし。ただなんでこんなに丸く収まったんだ?」


「10組の皆様は家名や上級階級ゆえの責任、誇りなどを弁えていらっしゃる方しか在籍しておりません。


エリサお嬢様のおっしゃられた内容は

"家名の誇りを守るため"

という大義名分がしっかりありましたので、皆様はこれ以上文句が言えないのです。


しかも家名は名家のエリッタ家では不平を鳴らすこともできますまい」


美鈴ががっしり秀を掴んで立っていた


「と言っても安心してください石動様。


お嬢様の評判のほどは


『なんてお労しい。自らの身を一時とは言えこんな下賤なものに許すなど


しかしこれが貴婦人としての本来の姿か。なんて貴いんだ』


と言った感じで概ね好評価です」


「お前その嫌味を言いたくて会話に入って来たのか?」


「いえいえ、感謝には及びませんよ。心優しい石動様のことです。気になっていたに違いありませんから教えて差し上げたくて。」


オレの質問無視しやがった。これは絶対嫌み言いたくて来たな


なら、と嫌みを返そうとしたその時


「そうなのですか?心配してくれてありがとうございます」


「え!?いや、え~とその。あははは」


なんだこの違うと言えない雰囲気は。乾いた笑いしかできない


お願いだからそんな目で見ないで