「お嬢ちゃんが、“本当に”望んでいるものは、手に入るかどうか…」
私が“本当に”望んでいるもの?
それが何なのか、私にも分からない。
けど、今は…
「今は、虎門を連れ戻したいんです」
おじいさんに向かって、ハッキリ答えた。
少し黙ったあと、おじいさんが目を開き…
「分かった。では…」
おじいさんが私の額に骨張った手を当てて。
瞬間、意識が遠退いていくのを感じた。
目蓋が閉じる向こうで、
桜の花びらが舞うのが
見えた気がした。
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