奏はそう言い終わるとアタシに唇を近づけてきた。 すごくゆっくりと…。 壊れモノにでも触れるかのように。 あと10センチ…。 あと5センチ…。 目を閉じろうとした瞬間。 いきなり幸せそうな剣也の顔が頭に浮かんだ。 アタシが身勝手な理由で告白した…。 佳織との仲をこじらせたくなかったから。 自分の気持ちがあやふやだったから。 そんな理由でも心の底から喜んでくれた剣也。