「ずっと紗英のこと…好きだった。」
え……。
声も出なかった。
奏もキョトンとしている。
「小学校のときから…俺の片思いだって分かってたけど、それでも…紗英のこと好きだった。」
アタシは全然気づいていなかった。
ありえないと思っていたから。
幼なじみがアタシを好きになることが。
「俺…紗英なまともに触ったことなかったよな…11年間。紗英が俺を嫌いになると思ったから。」
『剣……也…』
「俺だって…紗英にキスしたいって思ったことが何度だってある。だけど…我慢してきた。なのに…なんでこんな奴と…」
『ごめん…その…気づかなくて。』
