せーしゅん。【短編集Ⅲ】

≪大人とこども≫



ある日


キヤが泣きながら部屋に入ってきた。




「どうしたの?」と聞くと


「父さんなんてキライだ」という声が返ってきた。




「お父さんとケンカしたの?」


キヤはしゃくり上げながら


こくりとうなずく。




「遊んでばかりいるから

成績が悪いんだって…


げんこつ喰らった」



「でも、僕もキヤと同じくらい遊んでるじゃん」


「そう言ったよ…。

だけど分かってくれなかった…。」


悔しそうに下唇を噛むキヤ。



「大人はこどものこと分かってくれないんだよ」


キヤの放った言葉に疑問を抱いた。




「でも大人も昔はこどもだよ??」


「忘れちゃうんだよ。


子ども心を。」



そう吐き捨てるキヤの言葉が寂しく思えた。