せーしゅん。【短編集Ⅲ】




いつの間にか


前を歩いていたキヤは


隣に並んでいた。




「俺、りかちゃんに告った」



低い声から高い声へ変わる。



「んで、フラレタ」



隣のキヤは笑っていたけど


どう声をかければいいのか


分からなかった。



「ゆかちゃん好きな人いるってー」


「それだれぇ?」



興味はなかったけど


やっと出せた言葉。




「ヒイじゃないよ。


2組の佐藤。」



その言葉にちょっとホッとした。