せーしゅん。【短編集Ⅲ】




“恋”


『青春』の答えかもしれない。



キヤはそれを今している


恋している




答えを見つけ出している…。



それなのに僕は


恋をしていない。




まだそういう感情がわからないし


僕は地味で勉強以外何も取り柄がない。




代わりに双子であるキヤは


運動が得意で女の子に好かれている。



僕とキヤは対比している。




そんな中でもし


キヤが恋を手にしてしまったら…



先に『青春』を見つけてしまったら…





そんなのいやだよ。




僕は


キヤに置いていかれたくないよ。




僕は隣で折り紙を織っているゆかちゃんを横目で見た。



昔、

ゆかちゃんに教えてもらった。




消しゴムに好きな人の名前を書いて


それを誰にも見られず使われず


自分で使いきると両想いになれる。



って。




ゆかちゃんは僕よりも


恋に関してはよく知っている。