せーしゅん。【短編集Ⅲ】



キヤの怒鳴り声で僕はカバーを取った消しゴムを落としてしまった。




消しゴムは机で弾み


キヤのほうへ転がって行った。



キヤはその消しゴムを見て


そして僕を見て信じられないという顔をして叫んだ。




「絶交だ!」




このときはじめて


僕たちはケンカをした。