なんか・・・・・
とんでもない変人と
出会ってしまった様だ。

“橘 千草”

あいつの名前が頭の中で
無限ループしている。




面白い奴。




そう思った矢先。
教頭が保健室にやってきた。


「藤堂先生。
 少しお話が・・・・・」


「・・・はい」




めんどくせぇ。
かなりめんどくせぇ。

よりによって教頭かよ。
あの美人な先生呼んでこいよ。




客用の椅子に教頭を座らせ
俺はその真前に腰をおろした。




「で、話とは?」


「橘千草という生徒のことだ。
 君もさっき会っただろう?」


「はい。」


「彼女は・・・・問題児なんだ。」


「はぁ。」


「高島先生がいたから
 学校に来ていた。

 とでも言おうか?」




話が繋がる。
それに納得だな。




「で、俺・・・私は何をすれば?」


「彼女の・・・心の支えに
 なってくれ!!!」




教頭は熱く拳を握りしめ
立ち上がった。




「それでは頼んだよ。
 藤 堂 先 生 !」




教頭の言葉に呆れる所だったが
慌てて礼をして見送った。




心の支え・・・・・か。

それはカウンセリングの
奴がやる事だろ。

でも・・・・・・・・

「引き受けてくれたら
 給料上げるよ。」

なんて言われちゃあ・・・・



やるしかねぇな。



まぁ、あいつが心を
許してくれるかが問題だけど。




「・・・さてと。」


俺はまた書類に取り掛かる。

夕暮れ時の校庭で部活動を
している生徒を見つめながら。