コンコン!


誰かがトイレのドアを
ノックする音がする。



コンコン!



「テツヤ!そこにいるの?」


その声を聞いたテツヤは
希望の光を見たような気がした。




「ミキ?ミキなのか?
ああ!助けてくれ!


おしっこが止まらないんだ!
たすけてくれええ!」



ドアの外に沈黙が流れる。



しばらくの無言のあと
ドアの外からまた声がした。



「おしっこが止まらないの?」



「そ、そうなんだ!」



矢継ぎ早に言葉を返す
テツヤだが



ドアの外には
また沈黙が流れる。