しばらく黙ってた
南が突然に言う




「みぃー



俺シスコンだからさぁ」








私は何も言わずに
うんと頷く







「友達にもよく
言われるんだよね」




また、振り向いて
南がへらって笑う





また自転車が揺れる



「ちょっと危ないってば!」






「ごめん」


って南がまた
適当に謝る









「みぃーの事
ほっとけないの」







適当で
バカで

へらへらしてて







でも誰よりも優しくて
誰よりも私の事思ってくれる




「彼氏出来なかったら
南のせいだからね」
ってちょっと強がりを
言ってみたけど





ちょっと声が枯れてしまった





「みぃーは
可愛いからすぐ
彼氏出来るよ」
って南は優しく言う










…やっぱり好きだなぁ






って思ったら
また涙が出てしまった






大声で泣いたらきっと
ばれてしまうから




今度は声を枯らして静かに
涙を流した














あったかい春風が
すぐに涙をかわかしてくれたから








学校につくまでに
なんとか涙をとめられた









校舎の窓からは
南の彼女が心配そうに
覗いていた







なんだかすごく
申し訳ない気持ちになった








南は私に
「もうサボんなよ





新しい友達出来るといいね」
って私の頭をくゃくゃ
撫でて






自転車を押して
走って戻っていく








南がいなくなる代わりに
真希が走ってくる







ちょうど昼休みみたいだ








真希に強烈なデコピン
された後


だきしめられる