さぼっちゃおうかな
なんてバカな考えが


頭を行ったり来たりする







新しい第一歩を踏み出す
大事な初日に

サボるなんて


先生にも
クラスメイトにも






とんだ問題児だと思われるだろうな







…このまま学校さぼったら
学校はママに電話するかな





そしたら
ママはきっと大激怒するだろう




今朝も怒られたばっかだし
ママに怒られるのはもう嫌だ






真希ちゃんだって
きっと心配してる






とりあえず真希ちゃんには
電話しておこうと
携帯を出して







キィッと自転車が止まる音
に私は手を止める







エントランスの入り口の方
を見て私は肩を落とす




もう戻ってこないと
分かってるつもりなのに



自転車の音を聞くたびに
見てしまうのは




やっぱり
まだ南に期待してるのかな
と思うと




いつも
悔しさでいっぱいになる



「あら



美衣ちゃん?」
っておばさんが
不思議そうに私の顔を覗きこむ




おばさんは両手に
大量のビニール袋を
持っている



多分スーパーで買い物
した帰りなんだろう






「どうしたの?

学校は?」
っておばさんは続ける






「ちょっと具合が
悪くなって…



でも大丈夫です
もう、行くんで」
と私は無理やり笑って見せると





「本当に大丈夫?
おばさんついてこうか?」



私の顔が大丈夫そうに
見えなかったのか
おばさんは心配そうに言う







キィッとまた自転車の音がして





私はエントランスの入り口に
目を移す

































…信じらんない