塾でしか会えないんだからもうちょっと優しくしてよね。
『きっ、今日すっごい美女が塾に入って来るんだって。』
「ふ〜ん、そおなんだぁ。どんな子だろ、気になる〜」
『え。』
う、嘘でしょ。
「俺きれいな人タイプッ」
え………。
なん、で、そんな事いうの?彼女のまえじゃんか。
『あほタツヤッ!』
そう言い残してその場を去った。
サイテー。ありえない!
結局は顔で選ぶんじゃん。
『はぁぁぁぁー…。』
うげっ、もうすぐ8時じゃん。
『はあぁぁぁぁあ〜…。』
…トントン
ビクッ!!!!
誰かが優しく私の肩をたたいた。
『…?』
いったい誰よ。そう思って振り返った先には…。
超美少女が立っていた。
「あの、どうかなさりました?」
ぎゃっ、声まで美しい!
しかも髪超ながくてさらっさら。目はぱっちりで、全体的に色白で、まるで…どこかのお嬢様みたい。
『いやっ、別にたいしたことじゃないよっ』
「あら、そうですか。お大事に…。」
や、これは…みたいじゃなくってホントにお嬢様だ!
このしゃべり方と言い…雰囲気といい。
『まぢですか…。』
それから5分。
「どうかした?りんご。」
美絵は落ち込んでる私に首をかしげて聞いてきた。
『超ウルトラ級綺麗だった。』
「えっ、会ったの?!」
『うん、それが…お嬢様』
あれは、ぜったいそうだ。間違いないよ…鈍感鈍感言われてる私にもわかるよ。
「お嬢様???」
『うん。』
「まぢ?」
『まぢだよ。』
はぁ〜。なんかぁ、勝てるわけがないよぉ…。


