「そりゃため息も出るよ………」 さすがは藤堂家のお嬢様。 当の優梨亜は、すっかり馴染んでいる。 授業の合間も、隣の席の男子と親しげにしゃべっている。 「…なーんか華憐らしくないね。 しおらしい華憐なんて、初めて見た」 「…失礼ね。 あたしだって、しおらしくもなりますー」 そりゃしおらしくもなりますよ。 あたしは結構環境に順応して生きてきたと思う。 だけど………、 今回ばかりはその順応性を発揮できない…。