御曹司が恋したお姫様!?㊤




あたしは意気揚々と部屋を出た。


…フリをした。


部屋を出たのは事実だけど。


意気揚々と、っていうのはフリだけだった。


…だって、そうでもしないといてもたってもいられなくなる。


潤の言う通り、もうあたしがどうこうしたらどうかなるって話じゃない。


そこは脳でも解ってる。


だけど………、



「やっぱり、幸せになってもらいたいもんね…」



思わず思ったことが口から洩れていた。


そのことに気がついて、慌てて口を塞いだ。