無難な道は選ばないでほしい。 ──…そう言いたかった。 だけど、言えなかった。 あたしに言う権利があるのかなって思った。 今まで無難な道ばかりに逃げてきたあたしに、そんなこと偉そうに言う権利があるのかなって。 …そう考えると、やっぱり言えなかった。 「…私ね、小さい頃はよくいじめられてたの」 「………美織ちゃんが?」 「うん。泣き虫だ、って。 お茶会がある度に、うちの屋敷へきた男の子たちに」 美織ちゃんが泣き虫………?