「………じゃあ、あたしはひとりってこと?」 なんか一気に不安になってきた…。 優梨亜は一緒に帰れると思ってたのに。 挨拶だなんて………。 でも、行くななんて言えないし。 北条くんのお父様といえば、あの日本画の巨匠なんだから。 …そういえば、最近国の人間国宝に指定されたってテレビでやってたし。 「何もひとりで帰らなくたって、いるじゃないの」 「えっ?」 「ほら、あそこに」 美織ちゃんの言葉に驚いたあたしは、優梨亜が指差す方を見た。