この人、なんて優しいんだろう………。 「あっ、あたし遅れてすみません!! 寮にも城ヶ崎家の使用人の方がいらっしゃいますから、声をかけてくださればすぐに出てきたのに………」 「いや、メイドさんに華憐ちゃんの様子見てきてもらったんだけどね。 母上様と電話してたんでしょ? 邪魔しちゃ悪いと思って」 「そんな滅相もない!!」 その“母上様”のせいで、伊織さんにこんな迷惑かけてたなんて…。 それに、さっきから雨が降り始めている。