「別れよう。」

私がそう言ったら、


外はよりいっそう雨がきつくなった。



彼は私を見ることもなく、


ただ、窓の外を眺めていた。




私も窓の外を見てみる。





空から落ちてきた雨の雫が、

地面に到着し

そして跳ね返り、

また地面に小さな粒となり

吸い込まれていく。

いくつの雫が粒となり地面に吸い込まれていったのか…



私達の空間だけが、

音が無くなったかのように


静かな時間が流れている。




「俺の幸せのため?」


彼がふとこの静寂をやぶる。



私達の周りに音が蘇った。




ざあー


と雨の音が。







私は彼のほうを向いて

無言で頷く。