ガラッ、


「桜井?起きたか?」

そこに先生が保健室に入ってきた。

隣で愛美がニヤニヤしている。

「せっ、先生…っ!あのっ……ありがとうこざいました!」

「あー、別にいいって。それよりもお前に何もなくて、よかった。」

先生があたしの頭をくしゃくしゃと撫でる。

ドキッ、と胸が高鳴るのが分かる。

わ、先生があたしの頭を…っ、


「桜井。今日は一応安静にしとけよ?
んで、俺送って行くから。」

「へ?」

「だーかーらっ、送ってくって。瀬川、桜井の荷物は?」

「はい、コレ。ていうか、和希ちゃん、あたしはー?」

「お前はダメ。俺は桜井とふたりで帰りたいの。」

「ちぇっ、ケチ!……でも、優奈のことよろしくね!」

愛美が先生にウインクをし、あたしに合図を送る。

ていうか、先生!あたしとふたりで帰りたいってどういう意味っ!?


「んじゃ、桜井。帰るか。またな、瀬川。」

「あっっ、はい!愛美、またね!」


あたしは先生に子供のように手を引かれ、保健室を後にした。