「いいよ。


夕方になっちゃたら


それはそれでいいから


明日 行くから」



引っ越しや 


仕事の引継ぎで


忙しいのは痛いほど


わかっているつもり


だったから 


自分のわがままで


無理をさせたくなかった。







「でも それじゃあ・・・



もしも仕事が長引いちゃっても


怒らないですか?」


張り詰めていた糸が


プツっと切れたように


体中の力が抜けてしまった。




「やだ~ 怒らないわよ~。」



「本当に・・・?」




「はい。怒りません。」




「だったら 来てもいいです。


愛子さん時間があるのだったら


私の引っ越しの手伝い


してください。


あっつ そんなことさせたら


ご主人に叱られますね。」



「・・・」