「なぁ、璃子?」
「ん?」
「就職先のことなんだけど……」
「うん……」
あっ……そう言えば……。
卒業後は両親がいる異国の地に行くことにしたんだった……。
どうしよう……。
先生とせっかく想いが通じ合えたのに……。
離れ離れになっちゃう。
先生にちゃんと話した方がいいのかな……。
「あ、あのね、先生……」
「ん?」
先生が私を見る。
言わなきゃ……でも……言えない……先生に何て言えばいいの?
「…………ゴメン……何でもない……。あっ、先生の話って何?」
やっぱり言えなかった……。
でも、卒業までには言わなきゃ……。
「あ、うん……。あのな……俺のとこに永久就職しないか?」
「えっ?」
目を見開いて先生を見た。
「今すぐ結婚ってわけにはいかないけど……ほら、順序ってもんがあるだろ?璃子が卒業して、璃子の親御さんに挨拶して了解を得たら結婚して一緒に暮らそ?」
「先生……」
思いがけない先生からの言葉。
鼻の奥がツーンとして、先生の顔が歪んで見えてきた。
ジワジワと溢れる涙。
今の言葉はホント?
ホントにホント?



