「だって、私の家に送ったのに……間違えたって言って……先生の家に連れて来られて……わけわかんないよ……」


「嫌だった?」



先生が私の顔を覗き込むようにしてそう言った。


私は無言で首を左右に振った。


嫌なわけないじゃん。


嬉しいに決まってるでしょ?



「だったらもう、泣くな」



先生はそう言って、再び私の体を抱きしめた。


泣くなって言われても涙が止まらないよ……。


次から次へと涙が溢れ出し、先生のスーツが涙で濡れていく。



「部屋に入ろ?」



耳元で囁くようにそう言う先生。


私はコクンと頷いた。