「もしもし、お母さん?」



私はリビングのソファーに座って、異国の地にいるお母さんに電話をした。



『璃子?どうしたの?アナタから電話してくるなんて珍しいじゃない』


「…………うん……元気かなぁって……」


『元気って、2日前に電話したばかりじゃない』


「そうだっけ?」


『何があったの?』


「えっ……別に何もないよ……」


『嘘ばっかり。声に元気はないし……もしかして……泣いてた?』



やっぱり母親だね。


遠く離れて暮らしてるのに、娘の声を聞いただけでわかるなんて……。


お母さんの言葉に再び涙が溢れ出した。