「じゃー実行開始!」

「どーすんの?」

「図書室」

今日もまた、岡本くんは図書室にいる。

「じゃー行くよ」

ドキンドキン

心臓が高鳴る。

ガラガラ……

シーンとした図書室には岡本くんと数人がいる。

「あゆみ、どーすんの?」
「偶然作り」

「偶然って作るモノじゃないでしょ!?」

「いーのっ!必然も偶然のうち!!」

「何ソレ?…で、どーすんの?」

「Step1、『名前を覚えてもらう』つまり…名前と顔写真がわかる生徒手帳がいいでしょ」

「ふーん…」

「ちょっと、練習ね!」

そう言って、あたしはポケットから生徒手帳を出してシュッ、と投げた。

「どう?」

「いいんじゃない?」

「じゃ、もう一回練習!」

シュッ

あっ…!

思ったより遠くに投げてしまった。

急いで拾おうとした時…

「痛っ!!」

ゴンッと、頭になにかぶつかった。

「ごっ、ごめんなさいっ!!」

そこに立っていたのは…