私の兄は、アイドルです。

 



めちゃくちゃな力加減で、腹にクリーンヒット。

痛すぎて苦しすぎて、一瞬にして涙が滲む。




「じゃあ次は私ー」



ドスっ


「げほっ……」


間髪入れずに2発目。



「次私ねー」


そして代わる代わる、3人のファンに殴られた。



痛すぎて……
ヤバいかも……


私の意識が遠のき始めた丁度その時




ピンポンパンポーン

『只今の時刻より、開場致します。……』


なんともタイミング良く、アナウンスが入った。


助かった……




「えっ、やだもうそんな時間!?」

「早く行かなきゃ!」


「じゃあ、今日はこれ位にしといてあげる。
でもアンタ……もう裏切りは許さないからね?」

「今度は……病院送り、覚悟してね?」



次々と言いたい事を言って、ファン達はキャーキャー言いながらホールの正面入り口に走っていった。





「……はぁ……痛っ……」


軽く呟きながら、
壁を背にしてズルズルと座り込む。



今……人生で一番痛いかも。

有り得ないくらいにお腹が痛い。
吐き気を催すくらいに。