私の兄は、アイドルです。

 



「……っ、渡さん何勝手に……!」



……何てこと、してくれたんだよっ!?


澪はともかく……

音遠にチケットを送るなんて……!




「いいだろ?別に。
何かマズかったか?

音遠ちゃんって、妹なのに今まで1回もコンサート来た事ないみたいだからさ?

それに澪さんは、音遠ちゃんと友達な上に
何と言ってもあの大河グループの娘だろ?

お前のコンサートにも協賛してくれてるし……」



「っ勝手な事……しないでくれ……っ!」



俺に勝手に……


余計な事、しないでくれ……!




「っ、直人っ!?」




――渡さんの言葉を遮りそう叫んだ俺は


驚いた表情の渡さんを
見ることもせず


気が付けば、
控え室から……


……飛び出していた。





そして――




「○○町の○○までお願いします!」


道でタクシーを捕まえ、
飛び乗るようにして
目的地を言うと……



……自分のマンションへと、向かっていた。