私の兄は、アイドルです。

 



「そうか、良かった。
はは、俺のマネージャーの勘外れたな。

直人の書いた歌詞見てたら、なんか不安になってきてさ……

なんて言うのかな、
“切ない恋心”っていうのかな?
そーいう雰囲気の歌詞だったからさ?

“トップアイドル”に
“恋愛”は御法度だからな」



「……はは……」




その言葉に、乾いた笑い声しか出なかった。




アイドルに恋愛は
御法度、か……



そんなもん、怖くもなんともねぇよ。



なんたって俺は、


実の妹に
恋してるんだから。



ある意味……
恋愛御法度、だな……




アイドルだったって

そうじゃなかったって



どっちにしろ
ダメだろ?


俺の場合。





「あ、そういえば。
送っておいたから、チケット。」


「え……誰に?」



何の話だよ?

誰に、何のチケットを送ったって?


サラッと言った渡さんに向かって、
少し眉間に皺(しわ)を寄せながら問い掛けると。




「はぁ?直人。
誰に、って……
そんなの、音遠ちゃんと澪さんに決まってるだろ?」



当たり前だろ?
という感じで、

キョトンとした様子の渡さんだけど……