私の兄は、アイドルです。

 




「まぁねっ、一応私の
“お兄ちゃん”だしね……!
澪も、チケットよく手に入ったね……?」




少し、嫌みタップリに言ってやった。


……だって、悔しかったから。


そんな言い方……
しなくていいじゃん……



っていうか……


私って兄妹のくせに

お兄ちゃんのコンサート見るの、
本気で今日が初めてなんだけどね……


(夏のBIG4コンサートの時は、結局本番は見れてないからね)



澪こそ、入手困難のコンサートチケットよく手に入れたよね?


そんな私に向かって、
にっこりと微笑んだ澪は。





「うん、チケットはナオトがくれたからね。
しかも最前列なのよ?」



「そうなんだ……」




めちゃくちゃ嬉しそうに、
私にチケットを見せてきたんだ……




私は、チケットに書かれた
その座席番号を見て……




瞳が、グラッと揺らいだ。




バカ兄……


……いや、私がバカなのかな……





──タイミングが良いのか悪いのか。




「お待たせっ!
って音遠どした?」



「春さん……」



電話を終わらせた春さんが、

爽やか笑顔で私の方に向かって歩いてきたんだ。