けど



あぁ……、

やっぱり私は……



お兄ちゃんに

『信頼されてない』
んだね……?




そう思った瞬間、


勝ち誇ったような澪の笑みを思い出して。




「……っ澪には相談したくせにっ!」




澪に対する悔しさと嫉妬心が、
どっと込み上げてきて。



本当にガキな私は、
そう叫びながら……


……お兄ちゃんに抱き付いた。




「なっ……一体どうしたんだよお前……っ」



「……」




突然の私の行動に
ちょっとだけ焦った様子のお兄ちゃんは、

そう言いながら私の肩を掴んだんだけど……




「……何泣いてんの」



「……っ、だって……」



悔しさからか、嫉妬心からか。


溢れ出した想いは涙となって、
ポロポロと零れていった。



真正面から泣き顔をジッと見つめられ、

どうしたらいいのか分からない。




止まらない、涙。


泳ぐ、瞳。



絡み合う……視線。





だけど……




「澪に嫉妬、か……

…………音遠さぁ、本当に俺の事好きなの?」




少しの沈黙の後、

突然お兄ちゃんが口を開いた。