私の兄は、アイドルです。

 



それだけ答えたお兄ちゃんは、

ソファからサッと立ち上がりドアへと歩いていった。



っていうか“すぐ行きます”って……




「ねぇ、朝ご飯はっ?」



丁度出来立ての朝ご飯を横目に、

もしかしてと思いながら尋ねると。




「いらね」



思わずパンチしたくなるくらいに素っ気なく
そう答えたお兄ちゃんは、

本気で朝ご飯を食べずに仕事に出掛けてしまった。




もう……

一体何なのよ……




……バカ兄っ!





─────




なんだかスッキリしない私の頭の中なんてお構いなしで、

今日も朝から学校での質問の嵐は凄まじかった。




「なんでナオトはソロデビューしたの!?」

「BIG4はどうなるの!?」

「橘さん、ナオトのコンサートチケット手に入らないかな?」

「ねぇ、音遠ちゃん。
妹なんだから……なんか知ってるよね?」





……知らねぇよ。



あーもー……
いつもに増してウルサすぎ。


そんなに色々聞かれてもねぇ、
私にだってさっぱり分からないんだからっ!



……なんだか……教室に居辛いや。



トイレでも行こう……