でも……


ねぇ……私、

お兄ちゃん以外と
キスなんてした事無いんですけど……っ!



だから息が……

息の仕方が……分からんっ!




呼吸が苦しくなり、

たまらずお兄ちゃんの胸板をドンドンと叩くと……





「……あ、悪い。
苦しかったか?」




唇を離し、心配そうに顔を覗き込んできた。




「っはぁ……」



離された唇から、
周りの酸素を吸い込みまくる。


はぁー……

ドキドキした上に
苦しかった……!



私が深呼吸してると。





「……今の顔、
めちゃくちゃエロかった」



「ばっ、バッカじゃないの!?変態っ!」




……バカだ。
目の前にバカがいるよ?


バカ兄が、バカみたいな事を言ってきた。



思わず、ドンっと体を突き飛ばした。


だって正直どうしたらいいか分かんないしさ……




「いって……
っつーかなぁ、男なんて全員変態なんだよっ!

……っていうか音遠、
何で俺のスケジュール表なんか持ってんだ?」




イキナリ普通に戻ったお兄ちゃんは、
もっともな質問をしてきた。


そりゃそうだ。