私の兄は、アイドルです。

 



――TV収録に。

雑誌撮影に。

地方ロケに……

レコーディング。



見てるだけで頭が痛くなりそうなくらいに
ビッチリ詰まったスケジュールを見て、

思わず凄いと呟いてしまう。



お兄ちゃん……
凄すぎだよ……




――だけど


1日だけあった空欄を見て、


その瞬間私は……




勢い良く玄関の扉を開けて――




――バタバタとリビングに駆け込んだ。





バタバタバタっ



バンっ!





「どうしたイキナリ?
遅かったな」



リビングに入るなり飛び込んできたのは、

TVを見ながらソファに座ったお兄ちゃん。




「……っ、澪は……?」


部屋を見渡すと、
もう澪はいなくて。




「ついさっき帰ったけど?」




その言葉を聞いた瞬間――





「……お兄ちゃんっ……!」





――私は、ソファに座ってるお兄ちゃんに



抱き付いた。





「……急に……
どうしたっ……!?」



心なしかお兄ちゃんが
焦ってるけど……




「……お兄ちゃん、ありがとう……」



私は、精一杯の笑顔で笑った。