「……1人なら怖いけど……

……お兄ちゃんとなら、
怖くないかもしれないね……?」




ポロポロと、
頬を伝う涙は一向に止まらないけど。



私は、精一杯の笑顔でお兄ちゃんを見つめた。




そして…………





…………どちらからともなく、唇を重ねた。






幸せだけど、

これは罪な事だから。



幸せだけど、

これは汚い事だから。



だから、涙を流すの。





ねぇ、私達……


どうして“兄妹”なんだろうね?




どうして……

“同じ血”が、流れてるんだろうね……?





――神様、お願いします




せめてこの一瞬でも――




――私達の過ちを、
許して下さい。






─────





──この時

この手を取らなければ



私の未来は変わったのかな



この時

この手を突き放せば



お兄ちゃんの未来は



変わったのかな……――





―――――
――――