震える肩、壊れそうな程に小さくて華奢な体。



俺の顎辺りに触れる、
サラサラの音遠の髪の毛。



そしてそこからふんわりと香る、
俺と同じシャンプーの香り。




音遠……




俺は、ついに爆発した。




「お前が狂ってるっつーんなら……

俺は、その何百倍も狂ってるよ」




震える体をギュッと抱き締めながら、俺は話し出す。





「お兄、ちゃん……?」




音遠は……
困惑してるみたいだ。




だけど俺は






「音遠、……好きだ。

ずっとずっと、大好きだった。」





……言ってしまった。





「………え………」




俺の告白に……

腕の中にいる音遠の体が、ビクッと震えるのが分かった。



怖いのか?




なぁ、だったら……





「俺と一緒に……堕ちるか?」




2人で、とことん堕ちようか。


堕ちる所まで、さ?





「…………」




けれど、音遠は無言だった。




そりゃそうだよな……





「――怖い、よな。
悪かった。んなの選べねぇよな」




「……お兄ちゃん……」