だって……
わざわざこんなガキみたいな嫌がらせ、
音遠に嫌われる為にしてるんだからさ?
“大嫌い”。
その一言で、
俺は
天国にも地獄にも――
――いけるんだ。
だからな、音遠。
俺をウザがってくれ。
嫌ってくれ。
お願いだから……
……もう、
『好き』
だなんて言わないで?
―――――
音遠をコンサートスタッフに呼んだのは、
他の野郎がいる場所ではバイトなんてしてほしくなかったからだ。
働くなら、俺の側で。
俺の見てる所で、
ずっとずっといろよ。
でもまさか……
……まさか俺のファンにリンチされるなんて……
……思っても、みなかった。
ごめん、ごめんな。
やっぱり音遠、
俺と一緒にいたら不幸になるだけだわ。
だから――
だから。
俺の思いは、
退院した日の夜のキスで
封印したハズだったのに……
――コイツときたら、
何度も俺の気持ちを揺らす。
“他の子の名前なんて呼ばないで”
そう言いながら、
キツく抱き付いてきた音遠。