私の兄は、アイドルです。

 




『なんで?知りたいよ?
だってねおん、お兄ちゃんのコト大好きだもん。

いつもねおんのコト、大切にしてくれるでしょ?

だからお兄ちゃんとケッコンしたいっ!』





――まだガキの俺だけど……



この真っ直ぐで綺麗な
音遠の瞳に……



……涙が、出そうだった。




なぁ、音遠……



兄妹でな?



ケッコンは…………




……出来ないんだよ……?





『ん……ありがとな。
お兄ちゃんもな?
音遠の事、大好きだよ。

……ほら、もう寒いからこっちおいで?』




瞳に溜まった涙が、

溢れそうになったから。



俺は毛布を持って立ち上がり、
ベランダからリビングに入ろうとした。



んだけど……




『うんっ!あっ、でも待って?
あと一個お願いするから!』



何かを思い付いたようにニヤリと笑った音遠は、

そう言ってトテトテとベランダの端まで歩いていった。




『あと一個?音遠はホント欲張りだなぁ……』



……可愛いけどな。



そう思いながら音遠の後ろ姿を見ていると……




『お兄ちゃんが、もっともっとカッコ良くなりますように!』