『あっ、そうだ。
なぁ、音遠?流れ星に願い事するとな?
何でも叶うんだってさ』



ウトウトと今にも眠りにつきそうな音遠を起こす為に、

俺は話し掛けた。




『え……ホントにっ?
ホントに何でもっ!?
じゃあねおん、お願いするっ!』



純粋な音遠は、
嬉しそうに顔を輝かせた。




『音遠はどんなお願いするんだ?」


『ひみつー!お兄ちゃんは?』



にっこりと笑いながら音遠に問いかけると、

俺に話を振ってきた。
俺の願い事かぁ……




『秘密。』




――所詮、バカみたいな願い事だし。




『えーっ!ずるいっ!
知りたいっ!

んー……じゃあさっ?
いっせーのーで言おうよ!』



俺の答えが気に入らなかったのか……

音遠は食い下がらない。




願い事を
2人同時に言うのか……


……それなら、
音遠の声にかき消されて聞こえないかも。



丁度その時、流星群が流れ出す時間で。




『ずるいって何だよ……
けどうん、それならいいよ。
じゃあ、いっせーのーで……』




俺と音遠は、声を揃えて言ったんだ。





『『音遠と・お兄ちゃんとケッコン出来ますよーに!』』