私の兄は、アイドルです。

 




「澪ってホント珍しい子だよなぁ?
俺に対してキャーキャー言わなかったしさ。
落ち着いて話せたよ」



「…………」





――やめて。

聞きたくない



そんな話

聞きたくないよ――






「澪って見た目も可愛いしな!
俺結構気に入ったかも。

あ、そういやさ?さっき澪と……」




そう言って澪のコトを
やけに楽しそうに話すお兄ちゃんの声を聞いて





「…………いで……」



「は?」



「……呼ばないで……」





もう、気持ちはギリギリの崖っぷち。


……ついに、

私は狂ってしまったのかもしれない。





「音遠、どうした?」




ポツリと呟く私に

お兄ちゃんが不思議そうに顔をのぞき込もうとするけど……





「っ……他の子の名前なんて……

……呼ばないでっ……!」




溢れ出してしまった気持ちは、止まらない。



勢いのままに
そう叫び




「はぁ!?
って……音遠…っ!?」





――やっぱり私、どうかしてるや――



本気で驚いた顔したお兄ちゃんに、

抱きついていた。