私の兄は、アイドルです。

 



お兄ちゃんを盗られるのが嫌だから?


澪とお兄ちゃんが仲良くなってるから?



お兄ちゃんのコトを……

好きになってしまったから?




そして……



……そんな自分が……

あまりにもバカだから……?





――ずっと、整理のつかない自分の気持ちと葛藤してた。



から。



澪が帰ったのに、全然気付かなかった。





そして――






コンコン



ガチャ




「おい、音遠。
……お前ベッドの真ん中に座って寝てんのか?」



「……わっ!」




ノックしながら入ってきたお兄ちゃんの姿を見て、
キモいくらいに驚いた。




……うん、私は今まで、
ベッドの真ん中に座って考え事してました。




まだ乾かない、濡れた瞳に気付かれないように。


私はパッと下を向いた。




「なんだよお前、ビックリしやがって。
あ、澪、帰ったぞ?」



そんな事をサラッと言いながら、私のベッドの側まで歩いてきたお兄ちゃん。




――ねぇ、お兄ちゃん。


私の気持ちなんて知るワケもないけどね?


私の心を……揺らさないで。