私の兄は、アイドルです。

 



けど、本題には触れない。



……おかしい。

どうしてお兄ちゃんのコトを聞いてこないの?


ナオトの事が好きなハズなのに……



澪は、この家に入ってから1時間、
一切私のお兄ちゃんについて触れてこなかった。




……うーん、やっぱり私の被害妄想が強すぎただけなのかなぁ?


友達を信じられないだなんて、なんか澪に悪い事しちゃった気分だよ……


ゴメン、澪……





――私と澪は、2人で並んでソファに座り
澪が持ってきてくれたケーキを食べていた。




「めちゃくちゃ美味しい~!ありがとう、澪!」


「どういたしましてっ、
音遠が元気になったみたいで良かったよ!」



なんだか穏やかな時間が過ぎていく。


ケーキも美味しいし、
澪は優しいし。


やっぱり澪は、
私の『友達』だよ。




「でも澪、なんでこんなに沢山ケーキ買ってきたの?」




ケーキを食べながら
少しだけ不思議に思った私がそう尋ねた瞬間



ガチャンという音と共に





「ただいまー……」




今日も帰りが遅いハズのお兄ちゃんが、



帰ってきた。