夜中の12:30。


予想外のお兄ちゃんの言葉に、腹の底から叫んだ私。




はぁぁぁ!?


ねぇ、お兄ちゃん?

コンサートスタッフってさ?


こんなにあっさり簡単に誘う程、
楽な仕事じゃないでしょ?



ねぇ、お兄ちゃん?

なんでそんなに楽しそうな顔で私を見てるの?





「マジ近所迷惑だな、お前って。

んで……返事は?」



しっかりと両目で私を見据え、
ニヤリと笑いながら問い掛けてきたお兄ちゃん。


あぁ……
笑顔が黒い……




「いやっ、いきなりそんなん言われてもね?」



両手で無理無理と手を振る私に




「お前、旅行行きたくねぇの?」



追い討ちをかけるようにそう言った。




「それはっ……」


くそっ……、

それって

『コンサートスタッフにならなかったら
旅行は行かせない』

って言ってるのと同じじゃん!!



はぁ……


観念した私は、しゅんとうなだれた。