「じゃあ私も働くしっ!
バイトするっ!」
勢い余ってそう叫んだ私。
そうだよ!
私も自分でお金稼ぐから、だったらいいでしょ?
そんな私に
「へぇ……。
んじゃあ……
お前も俺と同じ生活してみるか?」
「へ?」
何?
言葉の意味が
ワカリマテン。
「来月(7月)にある俺らのコンサートさぁ、
ちょっとトラブってて今コンサートスタッフが不足してんだよねー。」
「……で?」
ゴクリと喉を鳴らしながら尋ねた私に、
お兄ちゃんが意地悪な顔でニヤリと笑いながら
『提案』してきた。
「……なぁ音遠。
旅行さ?母さんに黙っててやるから……
その代わりに俺らのコンサートスタッフとして働けよ。」
「はぁぁぁ!?」