私の兄は、アイドルです。

 



けど……


少しだけ、胸がズキンとした。




初めてだったから。



アイドルのお兄ちゃんを、

TVの中でしか会った事の無いお兄ちゃんを

こんなにも真っ直ぐに
好きって言う子を見たのは。



初めてだったんだもん。





──中学の時は、やっぱり地元だからか……

お兄ちゃんはめちゃくちゃ人気があって。


そんでもって、
好きって言う子はわんさかいた。


っていうか、
少なくとも私の学年の子はみんなお兄ちゃんが好きだったみたいで。


けど、みんな妹の私を利用してこようとしたんだ。


……利用したり、時には妬んでいじめたり。



一時だけど人間不信になったくらい

辛くて、真っ黒な思い出だよ。




……って、私の昔話はいいのっ!





「ぅわーん、やっぱり引いてるじゃーんっ!」



半泣きから本泣きになりかけてる澪に対して




「引いてない引いてないっ!」


「応援してるからねっ?」



まるで子供をあやすように慌てた美夜と沙那。



2人に宥められたからか、澪の涙は止まり。




「……澪って可愛いね」



私はつい、こんな言葉を口走っていた。