激しい雨が全身を叩きつけてくる。

突然の閃光。反射的に目を閉じた久我一太郎の横っ面に、鋭い拳が飛ぶ。
次は左。頬骨にまともに入る。両足を踏ん張って衝撃に耐える。

「いい加減に…ッ」
地面を震わせる轟音。
「そこを、どけっ!」

一太郎の右ストレート。つられて向こうも拳を繰り出してくる。
思わず口元がゆるんだ。
バカ野郎が、リーチはこっちの方が断然長い。

確かな手ごたえを感じ、ひとりめがアスファルトに倒れこんだ。派手な水しぶき。

そしてまた閃光。
「っあああッ!」