「それが、全然です。それどころか、みんなレベル3に行きたがっていますね」

「そうだよ。さっきここの席にいたオヤジもレベル3が天国だって言っていたな」

「天国かどうかはやっぱり行って見ないと何とも言えませんね」

「そうだが、チテイジンだの、レベルだの意味がわからんから、きっと、ろくなところじゃないぞ」

 歯無は戸度橋との再会でテンションは上がり、このまますぐに『レベル3』に行って脱出方法がわかる気がした。

「コラッ!」

 歯無は怒鳴り声のする方向に目を向けると、二人の男がにらめ合っていた。

 二人とも年齢は五十代で、体格もお腹が出ていて、髪は坊主だ。

 二人の区別は出来ない。