「そうかな……」

「お主はまだ、レベル3が天国だと、思えんのだな」

「そうだよ」

「何しろ、結婚制度がないんだぞ。女に縛られないから気分で色々な女を抱けるんだぞ。まあ、もちろん女も一人にではなく、複数の男とやるがな。ガハハハ……」

 語野字の能天気さに言葉をなくす歯無であった。

 うまい話には必ず裏がある。『レベル3』を体験したなら、信じられるが、誰も『レベル3』からではなく、『レベル1』で観たDVDの説明と想像力で話が出来上がっているのだ。
 もし、語野字の言う通りなら、逃げるのが困難であるとしたら、『レベル3』で生活をしたら幸せかもしれない。

 歯無はとにかく、『レベル3』に行かなければならないのだ。だが、いつになったら『レベル3』に移動するかわからない。