歯無は『レベル2』に来たと、思った。
『レベル1』とは雲泥の差があると思うほど違う。

 室内は二畳で狭いが、圧迫感はない。ここなら長い時間を快適に過せそうだ。

 歯無のお腹が鳴った。空腹だからだ。室内から外に出ると、『レベル1』と同じように細い長い廊下が左右に伸び、各部屋がたくさんある。

 左の先はおそらく出口であろう。右の先からいいにおいがするのだ。食堂だろうと、推測するが間違いない。体が勝手に向かっていた。

 歯無は真っ直ぐ進んだ。

 突き当たると、透明のドアが開いた。

 自動ドアだった。

 目の前は真っ白な壁で行き場がなく、歯無が立ち止まった。